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町名表示板

今月、京都に行ってきたチキンです。

京都と言えば、なんでしょう!?神社?お寺?それもいいですが、僕が京都に行ったらぜひ見てもらいたいと思うものは…

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仁丹(じんたん)の町名表示版。

明治43年より、仁丹(企業)により設置され始めたものです。右から左に「伏見市」と書かれていることから分かるように、非常に古いものです。これほど古い町名案内版は京都以外でお目にかかったことがありません。また、この表示板の何がすごいかというと…

「伏見市」は、1年11ヶ月しか存続しなかった自治体なのです。

日本一短命の市で、昭和4年5月から昭和6年3月まで。つまり、この町名案内板はその時代に作られたものと断定できます。

ちなみに、「市」は明治21年の市制・町村制以降、自治体の単位として使われるようになりました。今日は、そこに至るまでの話をしたいと思います。

まず、明治になると、大区小区制というものが制定されます。府県の下を「第一大区四小区」という風に数字で分けたものなんですが、従来は地名で表していたものを番号で表すのは非常に分かり辛い為、廃止されます。

明治11年、大区小区制に変わるものとして、郡区町村編成法が施行されます。
これによって、全国20の主要都市が区(例:横浜区、神戸区)となるんですが、三大都市であった東京は15区、大阪は4区、京都は2区に分けられます。その時、京都とは別個の都市であった伏見(現在の伏見区中心部)は伏見区となりますが、明治14年に紀伊郡伏見町へと変更されています。郡区町村制における、区から町へ降格した唯一の事例です。

明治21年、郡区町村編成法に代わり、市制・町村制が施行されます。それを受け、明治22年以降に現在でも使用される「市」が誕生します。これは、明治の大合併とも重なっており、この時に大字も誕生しました。

そして、昭和4年。紀伊郡伏見町が伏見市へ昇格することになるのですが、伏見の市制は京都市への編入が前提条件とされ、市制して2年足らずで京都市へ編入され、周辺町村と共に京都市伏見区となったのです。

また、歴史の授業でも習いますが、安土桃山時代の桃山とは伏見のこと。

桃山というのは、廃城となった伏見城周辺に桃を植えたことから付いた名で、安土桃山時代が終わった後に付けられたもの。しかも、桃山が正式に町名として使用されるのは伏見市や周辺町村が京都市に編入され、伏見区が誕生した昭和6年のこと。実はかなり新しいのです。

京都市最大人口の区、伏見。京の傍になければ県庁所在地ぐらいになれたであろう都市は、京都MAPでよく欄外かなかったことにされながらも、京都市の南端として今日も確かに存在しています。

話を戻しましょう。※京都市内の町名表示板ですが、昭和4~6年しか存在しなかった「伏見市」の表示板が現役であることからも分かるように、今の区と一致しないことも多く、「下京区」と書かれたものを東山区で見ることもあります。

実用性に関しては若干疑問を感じますが、「下京区から分区した東山区が誕生する昭和4年より前のものだ!」と気付ける利点もあります。すみません、この記事を読んでいる人がこのマニアックな話に付いてこれている気がしません。

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上京(かみぎょう)区の町名表示板

明治22年の市制・町村制時より京都市であった地域では、通り名を使用した住所表記を行います。

北へ行くことを上(あが)ル、南へ行くことを下(さが)ル、東へ行くことを東入(い)ル、西へ行くことを西入(い)ル

例えば、「河原町通四条下ル○○町」と言えば、南北の通りである河原町通を東西の通りである四条通から南へ行ったところにある○○町という意味ですし、「今出川通室町東入ル××町」と言えば、東西の通りである今出川通を南北の通りである室町通のところで東へ行ったところにある場××町という意味で非常に便利です。

ちなみに、この町名表示板は上京区の六軒町通(南北の通り)を五辻通(東西の通り)のところで南に入ったところにある佐竹町という意味です。これは戸籍にも正式に記載されているもので、市内に同一町名が多い京都においてはこの「通り名」のお陰で同一町名も区別ができていると言えます。

京都の町名については他にも法則がありますが、長くなったのでまた別の機会に。

※京都市内…京都市民が「市内」と言った場合、それは京都市域のことではなく、主に「洛中」と呼ばれる市中心部のことなのでご注意。但し、本ブログでは京都市域全体のことを指しています。

今日のポイント
・郡区町村編成法により、大字が誕生。
・伏見市は、歴史上最も短命の市。
・安土桃山時代の「桃山」は、安土桃山時代が終わった後に付いた名前。
・京都中心部の住所は通り名で場所を表す。



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